福岡の結納 – 結納茶
結納では結納品を納めるのが一般的ですが、福岡県ではその結納品に「結納茶」と呼ばれるお茶を贈ります。お祝いの席ではお茶を出すのは、お茶を濁すなどとも言い、一般的には相手に対して失礼にあたる場合があるので控えるのが無難です(その場合は桜茶を出します) しかし、お茶は挿し木をして育つ、一度植えたら再び植え替ることをしないと言う意味を込めて、福岡では結納茶を贈る風習が古くからあります(福岡、佐賀、長崎の3県で結納茶の風習が残っています)。結納には、二人の将来を祝福する意味で、松、竹、梅、鶴、亀などの水引飾りが用いられます。

●松=小袖料
松飾りの下には小袖料(結納金)を置きます。松の木の緑の様にいつまでも変わらない長寿と健康、繁栄の意味です。小袖料は、昔は貴重だった着物の小袖を贈るしきたりに由来しています。
●竹=子産婦
竹は節度、潔白を表わしていて、下に子産婦、子生婦(昆布)を置きます。昆布には生命力と繁殖力があるので、子孫繁栄を願い贈ったものです。
●梅=寿留女
梅は忍耐。また春を迎えるより早く花を咲かせ、実を付ける縁起の良さもあります。梅の下には寿留女(するめ)を置きます。するめイカの干物ですが、日持ちがして、噛めば噛むほどに味が出ることから、幾久しく仲睦まじく幸せな家庭を築くと言う意味があるようです。寿を留める、と言う意味もあります。
●鶴=熨斗、亀=寿恵廣
鶴、亀は千年、万年の長寿の生き物である事は有名です。鶴には節操を保つ意味もあります。鶴飾りは熨斗(のし)、厳密にはのしあわび(鮑を平べったく伸ばしたもの)で作ります。あわびは大変貴重なものですから、贈り物に対する祝意や、不老長寿の意味もあります。亀飾りは寿恵廣(すえひろ)で作ります。末広がりで家族の繁栄を祈ります。紅白一対の扇子は純白、純潔、純真無垢の意味があります。
●友白髪
友白髪は、共に白髪になるまで添い遂げるとの意味で結納品として収められますが、現在では友白髪の代わりに高砂人形を贈る事が多いようです。結納品一式は大きなものですので、羽子板に作り直されるか捨てられると思いますが、この人形だけは思い出として大事に保管される方も多いと思います。
●家内喜多留
お祝いの席の為に、家内喜多留(角樽)を二升添えます。家の内に喜びが多くいつまでも続くようとの意味です。祝事には必ず樽に入れた酒が持参されます。中身は清酒であれば何でも良いでしょう。一対が正式ですが、一本でも問題ありません。現物を持ち込むのが難しい場所であれば、家内喜多留金封に「酒料」として添えれば良いでしょう。また鯛を二匹添える場合もありますが、これも「鯛料」としても構いません。
●御知家
最後に御知家(お茶)です。何度も出ない様にと言う意味を込めて番茶を入れるのが普通です。結納の儀式の後、美味しい上級なお茶と取り替えます。
●結美和
結美和(ゆびわ)、目録、家族書・親族書などを置く台は別に用意します。指輪は結美和、優美和などの当て字でも指輪でも構いません。関東式など簡単なセットの場合にはここに金封(結納金)も一緒に置けば良いでしょう。
目出度く結納が決まったら、結納前の大安吉日に、寿美酒(すみざけ)を行います。酒一升、鯛一匹(壱生壱代添い遂げるの意)を贈ります。福岡県南部地方では、それに久喜茶を添えるのが習わしです。









